名前 |
関係 |
|
桐壺更衣 |
源氏の母 |
父は大納言、母は名門の出
父の遺言は「必ず娘を入内させ 我が家系の血を皇統に入れるように」であった。
やがて更衣として入り、時の天皇、桐壺帝から格別の寵愛を受ける。
第二皇子(光源氏)を産むが、源氏三歳の夏、二十三歳で亡くなった。 |
光源氏 |
主人公 |
桐壷帝の第二皇子 両親の悲劇的な愛を負って出生。
予言によると(これで物語がどう進むのかが解る)
帝王の相があるが、そうなれば国が乱れる。
実子が三人生まれる。
一人は天子(冷泉帝)に、一人は皇后(明石中宮)に、 もう一人は太政大臣(夕霧)になると。 |
朱雀院 |
源氏の三歳上の兄 |
桐壺帝の第一皇子、母は弘徽殿大后 二十四歳で桐壺帝の譲位によって即位した。
父桐壺院からは、東宮(冷泉帝)への後援と、
源氏をその後見役として重用することを遺言される。宿命のライバル源氏に、愛妃朧月夜を寝取られてもなお許し、その上、最愛の娘、女三の宮の将来を託してしまう。
三の宮は不義の子、薫を残し二十三歳の若さで出家してしまう。 |
藤壺 |
源氏の義母 |
故先帝の第四皇女。
桐壺院に溺愛された亡き桐壷の更衣に瓜二つだったために入内。
やがて五歳年下の義理の息子源氏と密通し、後の冷泉帝が生まれる。このことで二人は生涯罪の意識にさいなまれる。
桐壺院の一周忌の法要のすぐあと、源氏との関係を立ち切るため出家してしまう。
その後源氏は東宮の後見人になり、冷泉帝として皇位に就かせることに成功する。
そして源氏は内大臣となり、藤壺は国母として准太上天皇にまで昇り詰める。 三十七歳で没。
二人は相思相愛という関係ではない。 源氏の一方的愛
源氏にとって藤壺は青春の全てであり、永遠の理想の女性だった。 その後の女性遍歴の殆どは、"藤壺"探しだった。 |
葵の上 |
源氏の正妻 |
左大臣と桐壺帝の妹である内親王、大宮の一人娘。
十六歳で四歳下、臣下の源氏と政略結婚させられる。
源氏二十二歳の年懐妊。
気晴らしに出かけた葵祭りで 源氏の愛人六条御息所一行と車の立所を争い
御息所の車を女房車の奥に押し込めると言う "車争い"の事件を起こした。
そのことで御息所の怨みを買いその後、彼女の生霊にとりつかれ 難産の末、子供(夕霧)を産むと急死する。 享年二十六歳だった。
誇り高く素直に自分の感情を表現できずに自我を守り通した。 |
六条御息所 |
源氏の愛人
(才色兼備、執念の人) |
大臣の娘で皇太子の未亡人。
一六歳で東宮(桐壺帝の弟)と結婚、姫君(秋好中宮)を産んだが 二十歳で東宮と死別、二十四歳で七歳年下の源氏と恋愛関係に入る。
教養高く趣味も深く、特にその筆跡は見事なものであった。
御息所は源氏にのめり込み、思いつめ、身も心も燃やし尽くすが 、元は皇太子妃だったのが年少の源氏に誘惑され、 捨てられるという屈辱は耐えがたく、悶え苦しむ、
そして熱愛ゆえの破滅へと進む。
激しい情念と怨念が 源氏の正妻(葵の上)や愛人(夕顔)を生霊となって呪い殺してしまう。
そして死後は死霊となり紫の上を危篤に陥れ、女三の宮を出家に至らしめる。
その後、娘の斎宮について伊勢に下向 。
朱雀帝から冷泉帝の代替わりの時に再び上京その後、死に際して娘(秋好中宮)の後見と 彼女を恋愛の対象にしない条件を源氏に遺言して三十六歳で亡くなる。 |
空蝉 |
源氏の愛人
(気丈な人) |
父の右衛門督(兼中納言)は入内を望んでいたが、果たせず、死去。
後見を失った空蝉は老齢の受領、伊予介の後妻となる。
夫の留守中で空蝉が先妻の子紀伊守邸ヘ訪れていた時、 方違いに来た源氏と一夜を契る。
しかしその後、心惹かれつつも身のほどを意識し二度と源氏と会おうとしない。
愛を拒むことで自らの存在を示し、源氏にとって忘れがたい女性となる。
老夫の死後、河内守となった義理の息子、紀伊守の求愛を退け出家する。
晩年は源氏に二条の東の院に引き取られ平穏に暮らす。
身分的には中流の女性、容姿があまりよくない事等で作者の紫式部がモデルだという説もある。 |
夕顔 |
源氏の愛人
(娼婦性のある悲劇の人) |
三位の中将の娘 。両親と早くに死別、頭中将の愛人で娘(玉鬘)まで生んだが 北の方の迫害にあい、頭中将にも告げず姿を隠す
その後、五条の隠れ家で互いに身分を隠したまま源氏と結ばれる。
それまでの源氏は決して打ち解けない姫君に緊張感で気疲れしていた
しかし夕顔は、素性も明かさない源氏に抵抗もせずに身を許し、ひたすら頼りきって素直に従う
ある日源氏に誘われて某の院(現在の渉成園)で忍び合うとき、夜になって枕元に現れた物の怪(六条御息所)に襲われて急死する 。誰にも知らされず秘密のうちに東山の山寺に葬られた。
夕顔十九歳、源氏一七歳であった。
浮舟と並び遊女的で、娼婦性のある女性。 |
末摘花 |
源氏の愛人
(不細工ながら、ひたすら源氏を信じる) |
故常陸の宮の姫君
末摘花とは紅花(赤鼻)の異名、出家した変人の兄(禅師)がいるが天涯孤独。
猫背で胴長、 異様な鼻が 下に垂れてその先が赤く色づき額はとてつもなく広く、馬面で下半分が伸びきって見える。
胸は痛ましいほど痩せて骨ばり、肩などは着物の上からでも痛々しく尖っている。
その上、時代遅れで不器用で、ずれた和歌をうたい 、源氏が着るわけもないセンスのない 古びた衣装を恥らうことなく贈る。
ここまで表現するかと言う程、紫式部は容赦なく(笑) 書いている。
しかし須磨、明石流離の間、究極の赤貧生活に耐え、 源氏のことを愚直なまでに信じ切って待っていた純粋さに応えて、 二条院の東の院に迎えられ、尼になった空蝉と一緒に最後まで物質的面倒をみて貰う。
|
紫の上 |
源氏の愛人
(源氏の理想の女性。正式な結婚はしていないが事実上の妻) |
藤壺のめい。父は藤壷の兄式部卿宮、母は按察大納言の娘
源氏十八歳、病を患い加持祈祷を受ける為、京の北山へ行く。
十歳の若紫と思いがけず出会うこととなる。
藤壷に生き写しだったため、源氏が誘拐同然につれて来る。
源氏と二人だけの愛の生活が始まった。 そこで、完全無欠何一つ欠点のない、源氏にとって理想的な女性に育てられてゆく。
十四歳で新枕を交わし、生涯源氏からどの女性よりも愛され大切にされる。
自己犠牲的な精神と、源氏に対する深い愛情によって 六条院の女主人となる。
しかし後ろ盾のない野合の形のような結婚が、後に女三の宮の降嫁によって 屈辱を味合わされる。 |
朧月夜 |
源氏の愛人
(情熱的で、華やか。須磨に行く原因を作った人) |
源氏の政敵右大臣の六の君、弘徽殿大后の妹。
源氏二十歳、朧月夜十七歳、花宴の夜、 「照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の "朧月夜"に似るものぞなき」 と口ずさんでいる彼女に出会う。
ここから"朧月夜の君"とよばれる
天皇(朱雀帝)の后たるべく育てられたが、源氏と関係をもったため、尚侍として入内 。
源氏の兄、朱雀帝の寵愛を一身に受けながらも、源氏との関係を四十歳くらいまでつづける。
そしてその後源氏の須磨退去の原因になった。
しかし、最後には帝の深い愛に気づき院の後を追って出家する。
情熱的で、華やかで主体性のある官能的な女性 、 |
明石の君 |
源氏の愛人
(源氏不遇の時の愛人、娘は中宮、自らも侍女として宮中へ。夢のような出世物語) |
前播磨の守の受領、明石の入道と明石の尼君の一人娘
神技と言われるほどの琵琶の名手 。
明石の姫君(後の明石の中宮)を出産 。その後上京。
娘の将来を考え、二十二歳の時、三歳の娘を紫の上に預ける。
やがて十一歳で女御として入内するわが娘の後見人、侍女として宮中へ上がる。
源氏にとって紫の上に次ぐ大切な女性となる。
常に見のほどをわきまえ、忍従に耐え抜いた明石の君の生涯は、 当時の受領階級の夢を乗せた出世物語であった。 |
玉鬘 |
源氏の養女 |
夕顔と頭中将の娘。
玉鬘三歳の時、夕顔は源氏との密会中に死亡、その後、乳母と供に九州筑紫にまで都落ちする。
しかし縁あって玉鬘二十二歳の時、源氏の養女としてひきとられ六条院の華となる。
花散里が後見人。
玉蔓の聡明さと美貌が評判となり、高貴なさまざまな人から求婚され、 養父の源氏までもがきわどい言動に及び玉鬘を悩ませる。
髭黒の右大将が熱烈な思いをよせ自分のものにしてしまう。 気の進まぬ結婚だったが、その後、三男二女を産み、最後は太政大臣の北の方まで出世する。
薄幸のうちにはかなく死んだ母夕顔とは違い、数奇な運命にもてあそばれながらも身を誤らず 人々の称賛を受けたシンデレラ。 |
女三の宮 |
源氏の二人目の正妻 |
源氏の兄の朱雀院の第三皇女。母は藤壺の異母妹の藤壺女御、紫の上とは従姉妹になる。
葵の上の死後、「準太上天皇」にまで上りつめた源氏に相応しい正式な北の方として、降嫁する。
自分に恋する柏木と密通を犯してしまう。
そして、密通を悟った源氏の赤児と自分に対するあまりな底冷たさを思い知らされる。
父朱雀院に直訴して出家してしまう。、女三の宮の内に秘めた激しさゆえである。
晩年は父院から譲られた三条の宮に移り住み、息子の薫だけを頼りに五十歳頃世を去った。 |
頭中将 |
源氏の友人でありライバル |
左大臣の子で、葵の上の同腹の兄。
源氏の友人でありライバル。恋愛・昇進等で常に源氏に先んじられる。
子に柏木、雲居雁(夕霧夫人)、弘徽殿女御(冷泉帝の女御)、玉鬘(夕顔の子、髭黒大将夫人)、近江の君など。主要登場人物でありながら"頭中将"と唯一呼び名のない人物。
|
柏木 |
頭中将の長男 |
頭中将の長男、母は右大臣の四の君
後の太政大臣の父と共に和琴の名手
女三の宮の異母姉、更衣腹の女二の宮(落葉の宮)を妻にし、 美男の上に高い志を持ち、源氏にも目をかけられていた。
しかし柏木の、皇女女三の宮への執着が、源氏が二条院の紫の上の看病に明け暮れていた隙に 関係を結び不義の子薫を懐妊させる。
やがて露見し、 時の最高権力者源氏のひとにらみによって病に臥し、 泡の消え入るように亡くなった。
破滅の恋に殉じた悲劇の青年。
死に際して、親友の夕霧(源氏の長男)に 落葉の宮の後見を託し三十三歳の短い生涯を終える 。 |
夕霧 |
源氏の長男 |
母は葵の上。母の死後しばらくその実家で養育されたのち、源氏の六条院に引き取られて花散里に養育される。2歳年上の従姉である内大臣の娘雲居雁と幼少の頃恋をし、のち夫人とする。柏木の死後、その遺妻朱雀院の女二宮(落葉の宮)に恋をし、強いて妻とする。 |
薫 |
源氏(真実には柏木)と女三宮の子。 |
生まれつき身体からよい薫がするため、そうあだ名される。
宇治の八の宮の長女大君、その死後は妹中君や浮舟を相手に恋愛遍歴を重ねる。 |
匂宮 |
今上帝と明石中宮の子。 |
第三皇子という立場から、放埓な生活を送る。
薫に対抗心を燃やし、焚き物に凝ったため匂宮と呼ばれる。宇治の八の宮の中君を、周囲の反対をおしきり妻にするがその異母妹浮舟にも関心を示し、薫の執心を知りながら奪う。 |
浮舟 |
八の宮が女房に生ませた娘。 |
母が結婚し、養父とともに下った常陸で育つ。
薫と匂宮の板ばさみになり、苦悩して入水するが横川の僧都に助けられる。 |