東洲斎写楽


東洲斎写楽

これほどワクワクさせる画家はいない。
デォルメされた絵はもちろんながら、その謎にもワクワクドキドキである。

東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく、生没年不詳)は江戸時代の浮世絵師である。寛政6年(1794年)に突然のようにデビューした後、確認されている作品は、約150枚、およそ10か月の期間内に集中しており、その後の消息は不明である。特に第1期と言われる寛政6年5月作の28枚が秀逸である。

当時は売れない画家だったと推測される。
それは「あまりに真に描かんとてあらぬさまにかきなせしかば」と言われるように、本来の目的であるプロマイド代りから大きく逸脱して、肖像画の世界に入ってしまったからです。

後年、ドイツの美術研究家ユリウス・クルト(de:Julius Kurth)がレンブラント、ベラスケスと並ぶ三大肖像画家と"Sharaku"1910年発刊で激賞したことがきっかけで、大正以降、日本でも評価が高まった。

いつか「写楽」のコーナーをというのが念願であったが、2008年にようやく出来た。

三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛
うきよ絵名品展で見ました
Updated:::
2015.6.20

写楽は誰か?
浮世絵類考は、浮世絵師の伝記、経歴をあつめたもので美術史の基礎史料である。
そこには、写楽斎 東洲斎写楽 俗称 斎藤十郎兵衛、八丁堀に住す。阿州侯の能役者也。これは歌舞妓役者の似顔をうつせしが、あまり真を画かんとてあらぬさまにかきなさせし故、長く世に行はれず一両年に而止ム。しかしながら筆力雅趣ありて賞すべし。と書かれている。
そして、それを裏付けるように「墓」があったり、いろんな資料があった。
しかしながら、肝心の阿州侯(阿波藩)の資料のどこを探しても斎藤十郎兵衛の名前が出て来ない。
いろんな資料にも捏造説が出て、昭和10年頃から、それこそ言うた者がかちという世界になっている。
主なところで30人を越すと言われている。
デォフォルメの謎は?
北森鴻は「写楽.考」で大胆な発想を見せる。
武家に伝わる「カラクリ箱」それを再現すると、何と、フェルメールも使ったのではないかと言う「カメラ.オブスキュラ」であった。ガラス板が湾曲していて一部が極端に大きく見える。フェルメールの「青いタ−バンの少女」の絵に出会い、これを入手出来た絵師が居たとすれば、「写楽」に成れたはずだ.........。
あの絵も背景は一色。確かに近い(笑)


代表的作品
タイトルの作品「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」。
  
二代目市川門之助の伊達与作
にだいめいちかわもんのすけのだてよさく
常設展 「浮世絵版画」 - 歌舞伎役者と踊りのすがた 和泉市久保惣記念美術館
二世坂東三津五郎の石井源蔵
にせいばんどうみつごろうのいしいげんぞう
常設展 「浮世絵版画」 - 歌舞伎役者と踊りのすがた 和泉市久保惣記念美術館
 
二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草

やせた富三郎と肥った万世の対照が面白い
久保惣美術館で見ました 2015.6
常設展 「浮世絵版画」 - 歌舞伎役者と踊りのすがた 和泉市久保惣記念美術館
二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木

その芸風は師の真似に終始し、「いや富」と言われた。雰囲気出ています。

紀州博物館小竹記念館で見ました
うきよ絵名品展
二代目小佐川常世の竹村定之進妻桜木

うきよ絵名品展で見ました
三世坂東彦三郎の鷺坂左内 さんせいばんどうひこさぶろうのわしざかさない
常設展 「浮世絵版画」 - 歌舞伎役者と踊りのすがた 和泉市久保惣記念美術館
三代目市川八百蔵の田辺文蔵
紀州博物館小竹記念館で見ました
三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛
うきよ絵名品展で見ました  
フィラデルフィア美術展
 
三代目市川高麗蔵の志賀大七
さんだいめ いちかわこまぞう しがだいしち
三代目市川高麗蔵の志賀大七 
フィラデルフィア美術展
四代目岩井半四郎の乳人重の井(よんだいめいわいはんしろうのめのと しげのい )
ボストン美術館浮世絵名品展
フィラデルフィア美術展
 
四代目松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛

前田朋子さんの「再会そして復讐」の表紙に使われました。"キセル"がポイントでした。
うきよ絵名品展で見ました
嵐竜蔵の金貸石部金吉

ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展で゛見た
強欲な金貸しの役であるが、その因業さがその顔面によく描写されている。真一文字に結ばれた口、アゴの皺、そして両目のにらみと、袖をまくりあげた左手の構え、まさに迫力のある描写といえる
市川鰕蔵の竹村定之進(いちかわえびぞうのたけむらさだのしん)

当時の大御所。貫禄十分です。
うきよ絵名品展で見ました
市川男女蔵の奴一平(いちかわおめぞうのやっこいっぺい)

寛政6年(1794年)5月河原崎座で上演された演目「恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)」の中で市川男女蔵が演じた「奴一平」
ボストン美術館浮世絵名品展  
「近江屋錦車」中山富三郎のおひさ
ボストン美術館浮世絵名品展
「天王寺屋里虹」二代目山下金作の仲居おかね、実は貞任妻岩手御前(てんのうじやりこう)

ボストン美術館浮世絵名品展
 
中山富三郎の宮城野
ボストン美術館浮世絵名品展 で見た
長い顔、つりあがった眉、小さな眼、しゃくれた頬におちょぼ口、一見不思議さの中になにか華やいだ、なめらかな印象を与えている 写楽の作品の中でも上位と言える
松本米三郎のけはい坂の少将実はしのぶ

写楽にしては、デフォルメ部分は手だけ、という綺麗な作品
 


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浮世絵の展覧会、写楽関係で私が読んだ本

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